ページ

2025年10月30日木曜日

東京都M様邸 リビング 玄関ファサード キッチン

 ご自宅の各所にたっぷりアズレージョ(ポルトガル絵タイル)を取り入れて下さったM様邸。

お写真を送って下さいました。

《リビング》


ねこちゃんと暮らすのがコンセプトのお宅。のびのびとしたシンプルな空間にポルトガルらしい18世紀風のアズレージョをご採用いただきました。


コの字型の壁。早い段階で設計事務所さまとZOOMでお打合せができたことで、壁の寸法をミリ単位で把握して、ぴったりの大きさでタイルもご提案できました。窓の高さとのバランスも考慮しました。このようなフチを柄で囲むデザインの場合はこの柄の部分でデザインとタイルの大きさを調整します。


細かい話ですが、設計士の先生にお願いして、左の袖壁の幅はタイルよりも少しだけ広くしていただきました。お住いのうちに角にモノが当たったりしてもタイルは守れるようにするためです。


18世紀のポルトガルでは、このような複数の種類の動物や花などを一枚のタイルに描いて並べるデザインが大流行しました(オランダの影響も受けていて青単色です)。
M様邸ではオーダーメイドらしく、同じ柄は1、2枚程度しか登場しないくらい、かなりたくさんのバリエーションを盛り込みました。動物の種類、全体に対する比率にも配慮しました。当初、ポルトガルから典型的なポルトガルスタイルで動物も多め、日本ではあまり人気のない動物も登場する内容で提案がきました。でも動物には好みがあり、あまりにリアルな動物は日本のお客様のお好みでない場合もあります。M様と相談して花を多め、一部の動物は別のものに差し替えました。動物柄の持ち味の生き生きした雰囲気とすっきりとしたエレガントさも両立させることができました。

《玄関ファサード》




玄関のキャノピー(屋根)の下にタイルを並べたいと参考写真を添えてご相談がありました。
キャノピー下の寸法を伺って、タイルのサイズとともに、柄(連続パターン柄)を数種類ご提案しました。外壁の色見本も送って下さったのでこの落ちついたライトグリーンの壁に合うものを図案集の中からピックアップしてご紹介しました。その中からお選びいただいたのがこの柄です。


もともとピンクは入っていない柄でしたがM様のご要望でピンクも加えました。華やかですがうるさくない上品な柄です。

《キッチン》



キッチンにもワンポイントで絵画を飾るような雰囲気で店内にある組タイルを1点、ご採用いただきました。
窓の下にさりげなく納まっています。キッチンにふさわしいぶどうとワインボトルの柄です。黄色(ベージュ)のカップボードと合っていてきれいなコーディネートですね。

お客様が最初から設計事務所さまと当店を繋いで下さり、フル稼働でご計画に臨むことができました。M様も実は2回目のご注文でご理解があったので、三者のコミュニケーションもスムーズでとても感謝しています。おかげで滞りなく工事も無事にお納めていただきました。アズレージョもグレードアップしたものがお届け出来たと思っております。

M様からのおたより
「玄関前キャノピー下はピンクと黄色が入っているのでとても見栄えが良く、来る人もきれい、と褒めてくれます。身近なところにアズレージョがあり、すぐにポルトガルまで思いを馳せることができ幸せです。」

M様、ありがとうございました。




2025年9月7日日曜日

千葉県H様邸 パティオと玄関

 ポルトガルで長くお仕事もされ、同国をよくご存じのお客様から、

「幻想的なペナ城を描いてほしい」

というオーダーをいただきました。

ペナ城とは、ポルトガルのシントラにある有名なお城で、様々な時代のデザイン装飾が楽しめる観光の名所でもあります。


まずはお納めしたアズレージョ(ポルトガルタイル)の作品をご覧ください。


総数49枚のタイルで構成。
「幻想的」という言葉を直訳しただけでは日本人のお客様の想う幻想的とは少しずれるかもしれないと思い、いろいろと言葉を加え駆使しながらお客様の想いを描き手に丁寧に使えました。奥行、広がり、壮大さを何より大切に描きました。

フチ柄の部分はデザインに沿って手作業でタイルカットしています。失敗が許されない繊細なプロの作業です。
日本からのフチ柄の色のオーダーは青+黄の二色でしたが、工房のデザイナーの提案で刺し色に緑を加えるよりリッチで表情豊かな表現になりました。



ご新居の中庭(パティオ)に貼っていただきました。南欧ポルトガルらしい箇所です。
お客様がご計画当初から設計事務所様にアズレージョを取り付ける相談をしてくださり、寸法や図面の情報を共有できたので、具体的なイメージが湧き、最適な内容でアズレージョのご提案が叶いました。



キッチンからもアズレージョを眺めることができます。勾配天井とあいまってとても優雅なお住まいです。



玄関にもシントラのもう一つのお城(王宮)のアズレージョも飾っていただきました。





H様からのお便り。
「お願いした写真から描き起こしていただいたペナ城のアズレージョは想像をはるかに超える出来栄えで、感激しております。現在は中庭の壁に飾り、リビングの窓から毎日眺めては、その美しさに心癒されております。夜にはアズレージョが照らし出されるようにライトを配置しました。もう一点購入させて頂いたシントラ王宮のアズレージョを玄関前にも飾っております、こちらも明るく玄関を華やかにしてくれています。」

アズレージョを愉しんでくださっているのが手に取るようにわかり、心が温まりました。

さて、洗面台のこちらは、H様ご自身でご用意されたリスボンの風景を描いたアズレージョ3点。H様ご夫妻のポルトガル愛が伝わります。


早めにアズレージョを建物のご計画に盛り込んでいただくと、理想的なかたちでご提案・実現ができます。H様邸も、お施主様、設計事務所様との連携でとてもスムーズに計画が進みました。皆様もご遠慮なくご相談してみてください。

H様、ありがとうございました。

アズレージョ(タイル)輸入・コーディネート・販売
Azulejo PICO

建物の設計・施工
SUMUTOCO

2025年8月14日木曜日

山形県 O様邸 ポルトの風景画

 新築のサンルームに貼られたアズレージョ(ポルトガルタイル)、まずはご鑑賞ください。



長い東北の冬が開けて、季節がよくなってから、わざわざ花も添えて撮影してくださいました(ポルトガルを彷彿させるジャカランタも見えます)。

さて、作品は、古い時代のポルトのドウロ川の風景画です。ポルトガルらしい風景をアズレージョで描いてほしいというオーダーでした。

タイルの実物はもっと奥行や広がり、パノラマ感があり、圧巻です。20枚組(75x60cm)ですがそれより大きさを感じます。オーダーメイド仕様のハイグレードな描写をしています。






アズレージョのブルー、お花の赤と白、O様邸の窓から見える景色のグリーン、全てが調和してとても豊かな空間になっています。




遠方でお忙しい中でしたが、お打合せもとてもスムーズで施工まで滞りなく進みました。

「まじまじとアズレージョを見返してみると、なるほど水面が繊細に表現されており、より現地風景をリアルに想起させてくれますね。また現地を訪れたくなりました。」
との感想をいただきました。

風景画こそ、日本でポルトガルを感じて頂けるテーマかもしれません。
日本であれ、外国であれ、旅行中に撮った思い出の写真をそのままアズレージョに描くこともできます。

O様、アズレージョとポルトガルを愛して下さってありがとうございます。
思い出深いお仕事でした。

(※風景画アズレージョの下方のタイルたちはお客様のお手配です。)

2025年6月25日水曜日

兵庫県 ピッツェリア ラ フィーリア デル プレジデンテ マリンピア神戸店

 兵庫県・神戸垂水にアズレージョ(ポルトガルタイル)を見ながら食事ができるスポットができました。

ピッツェリア「ラ フィーリア デル プレジデンテ」

三井アウトレットパーク「マリンピア神戸」の中にあります。





壁紙(または塗装壁)の両端にアズレージョ(ポルトガルタイル)を貼ったコンビネーションデザインです。

細い木製の見切り材を入れてデザインにしています。
設計の先生のデザインで、二枚ずつを交互に貼っています。ポルトガルのスタイルとはちょっと違っていて新鮮な感じがします。


カウンター下にも。一般住宅でもカウンターのあるキッチンが増えましたね。カウンター下は絶好のタイルが活きる箇所です。是非参考にしてください。




全面に貼らずとも、あえて両端に持ってくることで印象が深まります。実はご予算にも優しい設計。


お店の大きな窓からは空と海、明石海峡が眺めることができます。


地中海、海辺の町を想わせるすてきなインテリアでした。



近頃は一般住宅でもたっぷりと空間と天井高のある家も増えてきました。とても参考になると思います。
この現場は東京の設計事務所さんの設計・デザインです。設計の初期段階からインテリア設計にアズレージョを盛り込んでいただきました。そうすることで一段とグレードアップした自由なデザインが可能になります。”これしかできない”ということはありません。是非、当店もあなたのプロジェクトのチームに参加させてください。


【おでかけください】
PIZZERIA 「LA FIGLIA  DEL PRESIDENTE」
マリンピア神戸1F
JR垂水駅から徒歩10分(無料シャトルバスもあり)


2025年6月19日木曜日

東京都I様邸 庭の噴水

お庭の噴水を新設するにあたり、装飾としてアズレージョ(ポルトガルタイル)をご採用いただきました。

 ポルトガル国内の各所に、アズレージョが貼られた水場があるのを見かけたことはありませんか?湧水が汲めるような石でできた水場。それらを彷彿させる素敵な水辺(池)ができました。



池は最初からアズレージョを貼ることを想定して奥にL字型に2面の壁を配置。寸法もポルトガルのタイルに合わせて作られています。壁の厚み部分にもしっかりアズレージョを施しています。




メインの組タイルは、ポルトガルらしい2点。

ぶどうの収穫風景を奥行たっぷりに優美に描きました。


有名なポルトガルのお城、ペナ城を南国の花、ハイビスカスとともに描きました。



合わせたパドラォン(連続パターン柄)は人気のPD-A121。
華やかでかつ愛嬌のあるデザインです。




施工業者さまと小まめに打合せを重ねながら完成にこぎつけました。
最初の頃から施工業者さまとやりとりさせていただけるとお届けできるアズレージョのデザインやアイデアの可能性が増します。根気強く伴走してくださった施工業者さまの多大なご協力にも感謝です。

最後に夜のライトアップされたときの動画をどうぞ。幻想的!









2025年6月17日火曜日

東京都I様邸 玄関ファサード

 皆さま、日本でも大判のアズレージョ(ポルトガルタイル)は実現可能です。

お客様ご自身の想いとともに非常にポルトガルらしさも尊重した素敵な事例をご紹介します。



「ポルトガルで見たあのアズレージョの迫力、美しさがどうしても忘れられず、自宅にも飾りたい」とご相談いただきました。

いただいたお題は、THANKS、DREAMなど日々I様が大切にされているものの言葉を入れる、大切な愛犬、愛猫も描き込む、家族というのもテーマでした。ポルトガルでよく見かける(王族、貴族などの)紋章にもご興味がおありでした。盛りだくさん!

一方で、玄関先のファサード、アズレージョを飾るには十分な広さのある場所でした。


BEFORE


幅1800mm。高さはほぼ制限なし。これだけの面積があると様々なデザインの可能性があります、たくさんの資料をみて、ポルトガルとやりとりしながら、基本のデザインを絞り込んでいきました。


基本の構図(構成)は、屋外で天井高の制限がないため、住宅ではなくもっと大きな空間にあるアズレージョから起草して、この基本デザインにたどり着きました。

足元にあえて白を持ってくることでメインの絵画に目線が行くように工夫をしています。メインの組タイルの部分は、訪れるどなたにも受け入れられやすいモチーフにしました。


背景のパドラォン(連続パターン柄)は当店を信用してくださり、お任せ、ということで当店が選びました、古典的になりすぎないように普遍的な植物モチーフにしました。



紋章は、あまたあるサンプルからI様にひとつチョイスしていただき、それをアレンジしました。描き込む4つのモチーフ(ぶどう、十字架、麦わら帽子、太陽)もI様と当店で決めました。りりしさの中にもかわいらしさが、ポルトガルらしいモチーフが並びました。


森を歩く男女の前に描かれているのはI様の愛猫と愛犬の肖像画です。たくさんのスナップ写真を送っていただきました。構図、方向がありますので右を向いている写真も新たに取っていただき、デザイナーが心を込めて描きました。



さて。ここで難題に差し掛かりました。

人物画の作風です。絵画において顔の好みはひとそれぞれ、個人差があります。当店に飾ってある男女の絵画を気に入って下さったのですが、表情や顔だちがお好みでないとのこと。もうちょっとすっきりした顔立ちがいいと。「すっきりした」日本のお客様ならよくある美意識です。

しかしこれをポルトガル人の描き手にどう伝えるか。ポルトガル語に「すっきりした」という単語はありません。

さっそくリスボンの日本人スタッフとまず話し合いをしました。その後彼女がデザイナーたちと半日かけて言葉を尽くし、深く長いミーティングをしました。最初は通じなかったものの、会話のやりとりのなかで一人のデザイナーが、「つまり、こういうこと?」ということでピン!と来てくれました。「そう、それ!」双方の渾身のコミュニケーションが実を結びました。





I様、ポルトガルとも丁寧に時間をかけて話し合いができた素晴らしいプロジェクトでした。
実例掲載にあたり、久しぶりにご連絡したところ、「大変満足しています、東京へお越しの際は歓迎します」と言って下さいました。
I様、ありがとうございました。

2025年5月20日火曜日

京都府 キッチンスタジオ コジーニャ ダ マリア

 Olá a todos!

思わずポルトガル語から始めたくなるような、まさにポルトガルを実感できる実例をご紹介します。

京都の大将軍にある、

ポルトガル郷土料理教室『Cozinha da Maria / コジーニャ ダ マリア』



人気ポルトガル菓子店「カステラ ド パウロ」オーナーの智子ドゥアルテさん主宰の料理教室です。そのキッチンスタジオに当店のアズレージョ(ポルトガルタイル)をふんだんに、且つダイナミックにご使用いただきました。



まずはカウンター下の壁。
タイルを納める(貼る)ために特注で木製枠を作成しました。将来着脱できるように、既存のキッチンカウンター壁にぶら下げ式になっています。


パドラォンPD-V9と18世紀風フロールFLAシリーズを交互に。
ポルトガルスタイルの代表格の2種のコラボです。



この部分のタイルは、カステラ ド パウロのオーナーパティシェ、パウロさん自らが貼られたんですよ。



次に奥の壁に目を向けましょう。


あっぱれ!壁の隅々まで全面タイル貼り、まさにポルトガルの貼り方です。


色違いのパドラォンPD-V8とV9を交互に。
1枚のみのコーディネートの時より柄が生き生きしますね。



ここの家屋はごく一般的な日本の住宅。それでもこれくらい大胆にたっぷりご使用いただいても決してうるさくない、飽きがこないことを証明してくださいました。

訪れる生徒さんのタイルの評判も上々だとうかがって嬉しく思っているところです。

「日本のどこでアズレージョが見られますか」というご質問をよくいただきます。ひとつの回答がココです。



智子さんの料理はポルトガルの味そのもの。
京都でポルトガルの世界にどっぷりはまってください。
教室は随時開催されています。

『Cozinha da Maria / コジーニャ ダ マリア』by Castella do Paulo
 https://castelladopaulo.com


※流し、コンロ面のタイルは建物にもともとあった既存のタイルです。これを活かすコーディネートにいたしました。

※木製枠制作 二葉家具(京都)
 www.futabakagu.com